越谷の司法書士・行政書士事務所「美馬克康司法書士・行政書士事務所」
司法書士・行政書士による相続のオリジナル解説です。
胎児の相続について、相続、認知、相続・死亡した子の認知、胎児相続登記、胎児死産の更生登記、胎児出生の変更登記、と分けて解説しています。
相続についてお困りでしたら、越谷の美馬克康司法書士・行政書士事務所へご相談ください。
相続人調査・古い戸籍謄本の取得、亡くなられた方の銀行手続き(残高証明・相続人への移行)、自動車相続手続きなど、お任せください。生前贈与のご相談もどうぞ。
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婚姻外の子供も、父親が被相続人の場合、その父に認知されていれば、相続人となります。
ただし、嫡出子の相続分の2分の1となります。
たとえば、父親が被相続人で、嫡出子Aと認知された子Bが相続人の場合、次のようになります。
Bは、Aの2分の1の相続となりますから、
Aは3分の2、Bは3分の1を相続します。
婚姻外の子供も、第1順位の相続人です。
したがって、正妻に子供がいなければ、正妻と2分の1ずつを相続します。
また、被相続人Aに、Aの両親と、Aに認知された子Bがいた場合、Aの遺産はBが全て相続します。Aの両親は、何ら相続をしません。
胎児は、母胎内にあってまだ出生していないものです。
民法は、胎児であっても、次の場合に限り、生まれたものとみなしています。
(1) 不法行為による損害賠償請求
(2) 相続(代襲相続を含む)
(3) 遺贈
このように、胎児も相続人ですから、胎児の保護を考え積極的に胎児の相続登記をおすすめします。
たとえば、妻が、妊娠中に、夫が死亡した場合、その遺産を胎児は相続します。
従って、「亡何某妻何某胎児」と、相続財産の登記をすることができます(もし胎児が
死体で生まれたときは、相続人に登記の抹消をされます)。
後述(下欄)の事例を、ご参照ください。
胎児を保護するために、胎児の出生前の遺産分割は、無効とされています。
認知とは、父が、婚姻外で生まれた子を自分の子であると認めることをいいます。
父との親子関係は、認知によってはじめて成立します。
母との親子関係は、原則として、母の認知を待たず、分娩と言う事実によって発生します。
民法は、父が認知届を出すことによって行なう任意認知と、子から父に対して行なう強制認知(認知の訴)を認めています。
認知は、戸籍法の定めによる届出によってします。届出がなければ、法律上の父子関係は成立しません。
認知は、遺言によってすることもできます。
遺言の場合には、遺言の発効と同時に認知は効力をもちますから、戸籍上の届出は、報告的届出となります。
認知をするには、相手方の承諾を必要としないのが原則ですが、例外があります。
(1) 成年の子を認知するには、その子の承諾を得なければなりません。
(2) 胎児を認知するには、母の承諾を得なければなりません。
(3) 死亡した子に、直系卑属がいる時は、その死亡した子を認知できます。
この場合に、直系卑属が成年者のときは、その者の承諾が必要です。
認知は、親子関係の事実がなければ、当然に無効です。
逆に、親子関係があっても、認知届が認知者の意思によらずにされた場合も、無効です。
たとえば、認知者以外の者が、認知者の氏名を冒用して認知の届出をした場合、当該認知は無効です。
任意認知は、認知者の認知の意思が必要だからです。
認知は、撤回ができません。
また、認知が、詐欺・強迫による場合でも、取消しはできません。
父が任意認知をしないときに、父の意思に反しても訴えによって認知を請求することができます。
認知の訴えができる者(原告)は、定められています。
(1) 子は、意思能力があれば独立して訴えを提起できます。
(2) 子の直系卑属は、子の生存中は認知の訴えを提起できません。子の死亡後においてのみ訴えを提起できます。
(3) 法定代理人は、子を代理して認知の訴えを提起できます。子が意思能力を有するときでも同様です。
認知の訴えがされる者(被告)は、父です。
父死亡後は、検察官を相手方とします。相続人が、被告となるのではありません。
認知の訴えの提起は、父の生存中は、いつでもできます。
父が死亡後は、死亡の日から3年を経過すると、認知の訴えができません。原告となる者が、死亡の事実を知らなくても、死亡の日から3年が出訴期間です。
認知請求権の放棄は、認められないと解されています。
民法第783条は、胎児および死亡した子の認知を、規定しています。
胎児については、次のとおりです。
「父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾
を得なければならない。」(同条第1項)
死亡した子については、次の規定です。
「父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することがで
きる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾をえなけれ
ばならない。」(同条第2項)
任意認知が行われるときには、被認知者が、出生し生存していることが、必要というのが、原則です。
この原則の例外として、胎児の認知を認めたのは、次の理由です。
(1) 民法は、胎児について、父が死亡した場合の相続権や、不法行為に基づく損害賠償請求権を認めています。
(2) それらの権利の帰属を確実にするために、父が、胎児との親子関係を承認しておくだけの実益が、存在するのです。
死亡した子の認知を、例外的に認めたのは、次の理由です。
(1) 認知を受ける子が、すでに死亡している場合でも、直系卑属がいるときは、実益があります。
(2) すなわち、父と死亡した子の間に、法的親子関係が認められれば、直系血族として相互に、相続権や扶養請求権が認められます。
(3) もちろん、直系卑属には、認知の訴えの提起が認められます。しかし、そのような裁判手続きが、不要となるのです。
一 認知者と承諾者
二 胎児認知の方法
あるいは、それに代えて、承諾の旨の付記が必要です。
一 認知者と承諾者
二 方法
上記事例で、甲野次郎が死亡した場合、甲野次郎の不動産の相続登記は次のようになります。
前例では、妻と胎児の、相続登記をしていました。
その後、胎児が死産の場合、甲野次郎の親が、甲野月子と共同相続いたします。
したがって、3人の共有名義に相続登記の更正登記を申請します。
胎児の登記をしていました。
その後、胎児が出生して、甲野三郎と命名されたと想定いたします。
変更登記の申請が、必要です。
添付書面について
(1) 登記原因証明情報として、次のものが必要です。
胎児の出生と氏名を証する、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
胎児の出生後の住所を証する、住民票の写し
(2) 代理権限証書として、次のものが必要です。
母の、戸籍全部事項証明書
母の、司法書士への委任状
登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
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