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1.被相続人が、遺言によって推定相続人を廃除したときは、遺言の効力が生じた後に、遺言執行者が家庭裁判所にその申立てを行います。遺言の効力が生じるときまでは、なお、遺言が撤回される可能性を残しているために、手続をとることができません。
2.被相続人が、遺言執行者を定めているときはこの者が、また遺言執行者の定めがないときは、利害関係者の申立てに基づいて、家庭裁判所によって選任された遺言執行者が、廃除の申立てを行い、認容されたときは、これらの者が戸籍届を行います。
3.遺言による相続人廃除は、当然のことながら、相続開始後に審判がくだされます。したがって、廃除の効力を相続開始時まで遡らせなければ、まったく無意味な制度と化します。そのため、民法第893条は、「・・・その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡のときに遡ってその効力を生ずる。」と、定めています。
4.裁判所は、申立てに基づいて、895条(審判確定前の遺産管理)の手続をとらなければなりません。家庭裁判所としては、相続が開始していながら、他方で廃除の申立てがあったことが顕著の事実であることから、必要と認めれば、職権で必要な処分を命ずる途を開くのが適切であろうと思います。
5.このように推定相続人の廃除は、遺言によっても認められることから、近時、その利用者も多いようです。
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美馬 克康(みま かつやす)
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