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1.詐欺または強迫によって、本来その気のない被相続人に、相続に関する遺言をさせ、取り消させ、または変更させた者も、相続欠格者に該当し、相続人になることが出来ません。
2.相続に関する被相続人の遺言書を、偽造・変造・破棄、または隠匿した者も、同様に相続欠格者に該当します。
3.この場合の「偽造」とは、無権限で被相続人名義の遺言書を作成することです。「変造」とは、被相続人の遺言書を、無権限で加筆修正することです。「破棄」とは、被相続人の遺言書を、物理的に無効にすること、「隠匿」とは、遺言書を隠すことです。
4.最高裁判所の判決によると、被相続人の遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿は、遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して、相続資格を剥奪する民事制裁であることから、相続人の行為が、相続に関して不当な利益を目的とするものでないときは、相続欠格者にならない、とされています。
5.さらに、最高裁判所は、遺言書またはその訂正方法が、方式を欠くために無効である場合に、相続人がその方式を具備させて、有効な遺言書または訂正方法の外形を作出させる行為が、被相続人の意思を、実現させるためのものに過ぎないときは、相続欠格とはならない、と判示しています。
6.同じ趣旨は、故意をめぐる問題としても現れます。例えば、隠匿について、遺言者の発見を遅らせる故意を必要とするとして、事案の事情からこれが認められないときは、欠格事由としての隠匿に該当しない、とする判例もあります。
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美馬 克康(みま かつやす)
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