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相続放棄と破産

1.相続財産破産制度は、ほとんど利用されていないのが現状です。相続債権者にとっては、相続財産が債務超過の状態にある以上、限定承認や相続放棄がなされないかぎりは、相続人の固有財産を含めて権利行使の対象とすることが得策です。

2.相続人としても、相続財産破産において、免責許可申立てをする資格を認められておらず、相続財産破産には限定承認の効果がむすびつけられてもいないため、相続放棄をしたほうが得策ということになります。

3.結局、相続債権者にとっても相続人にとっても、相続財産破産を申し立てる動機に欠けるため、相続財産破産制度は、ほとんど利用されていないのです。

4.相続人に破産手続開始原因がある場合、相続人は破産開始決定後でも、相続放棄をすることは可能です。しかし、破産した相続人が、充分な相続財産があるにもかかわらず、相続放棄をすることは、相続人の債権者(破産債権者)のための責任財産(破産財団)の拡充の機会を失わせ、利益を害することになります。

5.そこで、相続放棄の効果について、制限がもうけられたのです。すなわち、相続人が破産 開始決定後に相続放棄を行っても、破産財団に対する関係では、相続財産について限定承認の効力を生ずるとしました。

6.したがって、限定承認が行われた場合と同様に、破産管財人は、相続財産を破産財団所属財産として、相続人の固有財産と分別管理します。相続債権者については、相続財産から配当を行い、なお残余財産があれば、当該相続人に帰属すべき部分は、相続人固有財産とみなされ、固有財産部分に組み込まれます。

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