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相続 遺言 離婚 | 越谷の美馬司法書士・行政書士/せんげん台駅1分

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遺産相続

    相続分                                                                        
 
    1.相続分とは、共同相続に際して、各共同相続人が、相続財産を承継すべき割合、
      すなわち、各共同相続人が、取得し得べき相続財産の総額に対する分数的割合
      です。

    2.この相続分は、まず、被相続人またはその委託を受けた第三者の指定によって
      決定されます(民法第902条)。これを、指定相続分と呼びます。
      次に、指定がない場合には、民法第900条の定めるところに従って、決定され
        ます。これを、法定相続分と呼びます。

    3.法定相続分は、共同相続する相続人の種類によって異なります。

    子と配偶者が相続人である場合                                         

   1.
子の相続分は2分の1、配偶者の相続分は2分の1です。
     子が数人ある場合には、全員で2分の1を取得し、各人の間で均分します。

   2.子については、男女の別・実子と養子の別・国籍の有無を問いません。
     なお、平成25年の改正前には、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の
     相続分の2分の1」と、定められていました(第900条4号ただし書)が、
     改正され、嫡出でない子の相続分と嫡出子の相続分は、相等しくなりました。

   3.改正の契機となったのは、次の最高裁判所の判断です。
     「本件相続開始時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出で
     ない子の法定相続分を区別する合理的根拠は、失われていたというべきであり、
     嫡出でない子の相続分を、嫡出子の相続分の2分の1とする部分は、遅くとも
     平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたものというべき
     である。」(最高裁判所大法廷決定平成25年)

   4.具体例で検討しましょう。
     被相続人甲には、妻Aと子B・Cがおり、相続財産は 3600万円です。

     各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 2分の1
         相続取得額 3600万円×1/2=1800万円

    ② 子B、Cの、各相続分 1/2×1/2=1/4
            各相続取得額 3600万円×1/4=900万円

   5.もう1つ具体例を挙げます。
     被相続人甲には、妻A、甲とAとの間の嫡出子B・Cがいます。
     また、被相続人甲には、不倫相手であった乙女との間に、嫡出でない子Dがお
     ります。相続財産は、3600万円です。

     各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 2分の1
         相続取得額 3600万円×1/2=1800万円

    ② 嫡出子と嫡出でない子は、相等しい相続分となります。
      嫡出子BおよびC、嫡出でない子Dの、各相続分 1/2×1/3=1/6
                 各相続取得額 3600万円×1/6=600万円

   
直系尊属と配偶者が相続人である場合                                  

    .1.  直系尊属の相続分は3分の1、配偶者の相続分は3分の2です。
      直系尊属が数人存在するときは、数人の相続分は、この3分の1を均分したも
      のとなります。


   2.父母が相続人となる場合、実父母養父母の区別はなく、また父方母方の区別も
     なく、相続分は平等です。

   3.祖父母は、父母がいない場合に相続人となります。
     この場合も、父方の祖父母と母方の祖父母の区別は、ありません。

   4.具体例をご紹介いたします。
     被相続人甲の相続人は、妻A、甲の父母B・Cであり、相続財産は 3600万円
     です。

     各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 3分の2
         相続取得額 3600万円×2/3=2400万円

    ② 父母B、Cの、各相続分 1/3×1/2=1/6
             各相続取得額 3600万円×1/6=600万円

   5.具体例を、もう一つご紹介いたします。
     被相続人甲の相続人は、妻A、甲の養父母B・C、甲の実母Dであり、相続財産
     は 3600万円です。

     各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
     
① 妻Aの、相続分 2/3
          相続取得額 3600万円×2/3=2400万円

    ② 養父母BおよびC、実母Dの、各相続分 1/3×1/3=1/9
               各相続取得額 3600万円×1/9=400万円

   兄弟姉妹と配偶者が相続人である場合            


   1.兄弟姉妹の相続分は1/4、配偶者の相続分は3/4です。
        兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は1/4を均分したものです。

      2.なお、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の相続分は、父
      母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)の相続分の、2分の1です。
        
    3.ここでいう父母には、実父母のみならず養父母を含みます。
      したがって、実父母あるいは養父母の、いずれかを同じくすれば、全血の兄弟
      姉妹となります。一方の実父母が、他方の養父母である場合も同様です。

    4.具体例で、検討しましょう。
      被相続人甲の相続人には、妻A、全血である兄弟姉妹B・Cがいます。相続財産
      は 3600万円です。

      各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 3/4
         相続取得額 3600万円×3/4=2700万円

    ② 全血兄弟姉妹のBおよびCの、各相続分 1/4×1/2=1/8
             各相続取得額 3600万円×1/8=450万円

    5.もう一つ具体例を、ご紹介いたします。
      被相続人甲の相続人には、妻A、全血兄弟姉妹B、半血兄弟姉妹Cがいます。
      相続財産は 3600万円です。

      各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 3/4
         相続取得額 3600万円×3/4=2700万円

    ② 全血兄弟姉妹Bの、相続分 1/4×2/3=1/6
              相続取得額 3600万円×1/6=600万円

    ③ 半血兄弟姉妹Cの、相続分 1/4×1/3=1/12
              相続取得額 3600万円×1/12=300万円

       相続に関しての、その他の問題               


   1.被相続人に、配偶者がなく、子、直系尊属又は兄弟姉妹だけが、相続人である
      場合
    ① 子、直系尊属、兄弟姉妹の、それぞれのグループが、相続財産全体について、
      各自の相続分は、相等しいものとして、均分します。

    ② ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じ
      くする兄弟姉妹の相続分の、2分の1です。

    2.配偶者だけが、相続人である場合
    ① 配偶者だけが、相続財産全部を、単独相続します。

    ② 被相続人に、伯叔父母、従兄弟姉妹がいても、これらの者は、相続人とはなり
      ません。

    3.身分関係が重複する場合の相続分
    ① 実親が、嫡出でない子を養子としたり、あるいは祖父が孫を養子にする場合に
      は、親子間または、祖父と孫間という血縁関係があるうえに、養親子という法
      定血族関係が、重複して発生します。

    ② また、配偶者の一方が、他方の父母の養子となった場合には、兄弟姉妹という
      血縁関係の他に、配偶者という身分関係が、重畳的に存在します。

    ③ このような場合に、相続が開始すれば、2個の身分を併有する相続人は、二つ
      の地位に基づく相続分を加算したものを取得できるか、との問題があります。

    ④ 後記の、「二重相続」を、ご覧ください。
     .   → http://mima.blogdehp.ne.jp/article/14088052.html 

   
 .4.法定相続分と相続債務
      法定相続分は、積極財産の取得割合となるのみならず、消極財産すなわち共同
      相続人が、承継すべき相続債務の承継割合も、定めるものです。

    5.法定相続分と登記
     ① 事例でご紹介いたします。
       亡Aの共同相続人は、甲・乙の二人です。
       甲が、亡Aの遺産である不動産を、勝手に甲の単独所有名義の登記をしたうえ、
       その不動産を、第三者丙に売却し、丙への所有権移転登記をしました。
       この場合、他の共同相続人乙は、登記がなくても自己の相続した持分 2分の1
       を、丙に主張できるでしょうか。

     ② 判例(最高裁判所昭和38年)は、登記不要説に立つことを明言しました。
       理由は、次のとおりです。
       「甲の登記は、乙の持分に関する限り、無権利の登記です。登記の公信力がな
       いため、丙も乙の持分に関する限り、その権利を取得することができないから
       です。」
       通説も、判例と同様に登記不要説に立ちます。

     代襲相続人の相続分                     


   1.代襲相続は、相続人たるべき子、または兄弟姉妹が、相続開始前に死亡したり、
      相続権を失った場合に、その者の子または直系卑属によって、行われます。

    2.兄弟姉妹の代襲相続人は、「直系卑属」ではありません(昭和55年改正)。
      兄弟姉妹の「子」、すなわち、被相続人のおい・めいです。

     子の代襲相続人の相続分                   

    1.子の代襲相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属に当たる被代襲者が
      受けるべきであった相続分と、同じです。

      2.代襲相続は、被代襲者の死亡・相続欠格・廃除による相続権喪失によって、そ
      の直系卑属が、不利益を受けないようにするための制度です。よって、代襲相
      続人の相続分は、被代襲者の受けるべき相続分と同じであるべきだ、とされた
      のです。
     
    3.代襲相続人が一人である場合には、その者は、被代襲者の相続分をそのままに
      承継します。代襲相続人が数人あるときは、その各自の相続分は、被代襲者が
      受けるべきはずであった部分について、法定相続分を相続します。

    4.具体例で、ご紹介いたします。
      被相続人甲の相続人には、妻Aと、子B・C・Dがあり、Dは、甲より先に死亡
      しています。Dには、妻乙との間に子E・Fが、います。
      相続財産は 3600万円です。

      各自の相続分と相続取得額は、次のとおりです。 
    ① 妻Aの、相続分 1/2
         相続取得額 3600万円×1/2=1800万円

    ② B、Cの、各相続分 1/2×1/3=1/6 
           各相続取得額 3600万円×1/6=600万円

    ③ E、Fの、各相続分 1/2×1/3×1/2=1/12
           各相続取得額 3600万円×1/12=300万円

    5.もう一つ具体例を、ご紹介いたします。
        被相続人甲の相続人には、妻A、子B・C・Dがあり、Dは、甲より先に死亡し
      ています。Dには、妻乙との間に、子E・F、丙女との間に、子Gが、います。
      相続財産は 3600万円です。

      各自の相続分と相続取得額は、次のとおりです。
    ① 妻Aの、相続分 1/2
           相続取得額 3600万円×1/2=1800万円

    ② B、Cの、各相続分 1/2×1/3=1/6
           各相続取得額 3600万円×1/6=600万円

    ③ E、F、Gの、各相続分 1/2×1/3×1/3=1/18
            各相続取得額 3600万円×1/18=200万円

     兄弟姉妹の代襲相続人の相続分                

    1.兄弟姉妹の代襲相続人となる子の相続分は、その子が代襲相続人となる直系尊
      属の相続分の定め方に応じて、定められます。

    2.具体例を、ご紹介いたします。
      被相続人甲には、妻Aがいるが、Aとの間には子はいません。父母も死亡してい
      るので、妻Aの他には、相続人としては兄弟姉妹B・C・Dがいます。しかし、B
      とCは、甲に先立って死亡しました。Bには、嫡出子E・F、嫡出でない子Gがい
      ます。また、Cには、嫡出でない子Hが、います。

      各自の相続分と、相続取得額は、次のとおりです。
     ① 妻Aの、相続分 3/4 
          相続取得額 3600万円×3/4=2700万円

     ② Dの、相続分 1/4×1/3=1/12
           相続取得額 3600万円×1/12=300万円

     ③ E、Fの、各相続分 1/4×1/3×2/5=1/30   
          各相続取得額 3600万円×1/30=120万円

     ④ Gの、相続分 1/4×1/3×1/5=1/60
           相続取得額 3600万円×1/60=60万円

     ⑤ Hの、相続分 1/4×1/3=1/12
         相続取得額 3600万円×1/12=300万円


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総説
  1. 財産のトラブルは、どこででも発生いたします。家族法(親族法・相続法)においての、親族あるいは親族であった方々の間でも例外ではありません。
     
  2. 特に、遺言、相続、離婚に関しての財産上のトラブルは、数多く発生しています。亡くなった長男の嫁と姻族間でも同様です。
     
  3. 婚姻に準じた内縁関係の破綻も、財産トラブルになることが少なくありません。
     
  4. これらの、財産トラブルは、少しでも早く解決したいものです。
相続の財産トラブル
  1. とくに多いのが、相続に関してです。 
    相続は、「争続」と言われるほど、問題があることは、多くの実例が示しています。

    次のは、その一例です。
     
  2. 父親が亡くなり、相続人である子供3人で、遺産分割協議を開始しました。八百屋である父親を手伝っていた長男は、全ての財産を相続するつもりでした。
     
  3. 長男は、仲のよかった次男・長女が、当然に了解してくれると思っていました。当初は、次男も長女も、長男の考えを支持してくれました。
     
  4. ところが、長男の相続を認めた次男・長女が、後日に法定相続を主張しました。次男の妻・長女の夫が、反対したのです。
     
  5. 何度かの話し合いでも解決せず、長男の妻もノイローゼとなりました。やむなく長男は、法定相続を認め、八百屋を売却し、その代金を3等分しました。
     
  6. 八百屋兼自宅を失った長男ですが、妻は、「心が晴れ晴れした」と、ノイローゼも治癒したのです。
     
  7. 本当に、このような事例は、たくさんあります。遺留分に反しない範囲で、遺言書を作成しておくべきですね。
該当項目を、ご覧ください
なお、下欄において、次の項目をご説明させていただきます。
遺産分割の意義
  1. 遺産分割とは、相続の開始とともに共同相続人の、共同所有となった相続財産を、
    各相続人に分配し、帰属させる手続きです。
     

  2. 遺産分割の対象となる財産は、相続財産です。
     

  3. それでは、遺産分割前に、4人の共同相続人全員が合意して相続財産、たとえば土地を1億円で売却した場合の代金債権も、遺産分割の対象となるのでしょうか。
     

  4. ​この場合、土地は売却によって、遺産分割の対象でなくなります。4人の相続人は、遺産分割をすることなく、各自が、2,500万円を買主に請求できます。

遺産分割の方法
  1. 指定分割
    被相続人が、遺言で分割方法を指定し、または、相続人以外の第三者に分割方法の指定の委託をしている場合は、それによって分割が行なわれます。
     
  2. 協議分割
    相続人全員が、協議によってする分割です。
     
  3. 審判分割
    遺産分割協議で解決できなかったときは、各共同相続人は家庭裁判所に分割請求ができ、審判により分割が行なわれます。
遺産分割の効果
  1. 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼって効力を生じます。すなわち、遺産分割で取得した財産は、相続開始時に被相続人から、直接取得したことになります。
     
  2. 遺産分割協議に参加した他の相続人から、譲渡されたものではありません。
     
  3. 遺産分割協議後に、認知によって相続人となる場合があります。
     
  4. この場合、認知された者は、遺産分割協議で遺産を取得した者に対し、価額支払請求が可能です。しかし、遺産分割協議の無効を主張することは、できません。
遺産分割の財産に瑕疵がある場合
  1. 遺産分割によって取得した財産に瑕疵がある場合、たとえば、分割協議で債権を取得したが、債務者が破産をしていて債権の回収ができない、ということがあります。
     
  2. この場合、各共同相続人はその相続分に応じて、担保責任を負います。再分割を必要とするほどの瑕疵は稀で、損害賠償で解決されるのが多いようです。
     
  3. 前例の、遺産中の債権は、分割時における債務者の資力が、共同相続人によって担保されます。
     
  4. ただし、弁済期に至らない債権は、弁済時の債務者の資力が担保されます。
     
  5. 担保責任は、共同相続人全員による相互負担です。
     
  6. 相続人中に無資力者がいる場合には、他の全員がその者の負担すべき部分をも、相続分に応じて、負担しなければなりません。

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「遺産相続」

総説
  1. 遺産分割協議は、相続人が数人ある場合に、協議によって、遺産の帰属を決定する
    ものです。  
     

  2. 共同相続人は、いつでも全員で遺産の分割の協議を、することができます。
     

  3. ただし、、「分割禁止の定め」がないことが、条件です。

遺産分割禁止の定め
  1. 遺言による分割禁止

    (1) 被相続人が、遺言で遺産分割を禁止した場合、禁止された期間内は遺産分割ができません。 
    (2) 遺言による分割禁止期間は、相続開始から5年以内に限られます。 
    (3) 被相続人が、遺言で遺産分割を禁止すれば、共同相続人全員の合意があっても、その期間内は、遺産分割ができません。
     

  2. 審判による分割禁止

    (1) 家庭裁判所によって、分割禁止の審判が、なされた場合です。

    (2) 相続人が、家庭裁判所に、遺産分割請求をしたときに、分割禁止の審判が、なされる場合があるのです。
     

  3. 協議による分割禁止

    (1) 共同相続人の協議で、遺産分割を禁止できます。 
    (2) 禁止期間は、5年以内に限られます。

遺産分割協議の開始 ・当事者
  1. 相続人の1人が、遺産分割の請求をすれば、他の相続人は分割の協議に応じなけれ
    ばなりません。
     
  2. 遺産分割協議には、共同相続人全員の参加が必要であり、一部の相続人を除外して
    なされた分割協議は無効です。
     
  3. 包括受遺者は、相続人と同一資格で、分割協議に参加します。
     
  4. 相続分の譲受人も、分割協議に参加します。
遺産分割の方法
  1. 遺産分割の協議によれば、現物分割、換価分割、その他どのような方法でも可能とされています。
     
  2. 相続人の一部の者の取得分を、零とすることも可能です。この場合、零とした相続人も、負債(相続債務)は負担しなければなりません。
     
  3. 被相続人が、遺言で相続分を指定している場合(たとえば、3人の相続人に3分の1ずつ相続させると定めている)は、どうでしょう。
     
  4. この場合も、共同相続人の協議で、指定と異なる協議ができると解されています。よって、1人の相続人に、全遺産を与えることもできます。
     
  5. ただし、遺言執行者がいる場合は、遺言による相続分の指定通りとなり、協議での変更はできません。
遺産の評価
  1. 遺産分割協議の際、遺産の評価が問題となります。
     
  2. 遺産の評価は、遺産分割協議の時点での評価を、基準とします。被相続人の、死亡時ではありません。
     
  3. 遺産分割の際は、負債を控除したり、相続人の寄与分とか特別受益を考慮します。
遺産分割の注意
  1. 遺産分割は、個々の財産全てを、2分の1とか3分の1に分割すべきではありません。
     
  2. たとえば、亡くなった父親が商店を経営し、長男が、父親を手伝っていたとします。その商店を、相続人4人が、4分の1ずつ相続したものとした場合は、問題です。
     
  3. なぜなら、長男以外 の者が、商店の4分の3を他人に売却すると、その商店は、無くなったと同様です。
     
  4. やはり、分割の協議では、商店を残すような話し合いをするべきでしょう。
相続債務について
  1. 相続債務は、遺産分割の対象となりません。
     
  2. 相続人の1人が、全債務を承継するとの、遺産分割協議が成立しても、債権者は、
    他の相続人に、債務の履行を請求できます。
     
  3. すなわち、可分債務の場合は、当然に各相続人の相続分に応じて、分割されて承継
    されます。
     
  4. 相続された債務が、不可分債務である場合には、各相続人が、全部について履行の
    責を負います。

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「遺産相続」

代襲相続とは
  1. 代襲相続とは、被相続人の死亡以前に、
     

  2. 相続人となるべき子・兄弟姉妹が死亡し、または廃除され、あるいは欠格事由があるために相続権を失ったとき、
     

  3. その者の直系卑属がその者に代わって、同一順位で相続人となることです。

被代襲者
  1. 被代襲者は、被相続人の子および兄弟姉妹です。
     

  2. 直系尊属および配偶者には、代襲相続は認められません。

代襲原因

代襲原因は、次の通りです。 

  1. 相続開始以前の死亡
    (1) 同時死亡の推定によって、相続開始と同時に死亡した者も、被代襲者になります。
    (2) 失踪宣告を受けた者は、その死亡とみなされる日に死亡したことになります。
    よって、その日が相続開始以前であれば、代襲原因となります。
     
  2. 相続欠格
     
  3. 相続人の廃除
     
  4. 相続放棄は、代襲原因とはなりません。したがって、相続人が相続の放棄をしたときは、その者の子は、代襲相続権を有しません。
代襲相続の効果
  1. 代襲相続人は、被代襲者に予定されていたのと同一の相続順位で、被代襲者の相続分に相当する相続分を、相続します。
     
  2. そして、数人の代襲相続人相互の相続分は、平等(頭割り)となります。

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「遺産相続」

代襲相続の代襲者
  1. 代襲者は、法律で定められています。
     

  2. 第一に、被代襲者である子の、直系卑属(被相続人の孫・ひ孫等) です。
     

  3. 第二に、被代襲者で ある兄弟姉妹の、子(被相続人の甥・姪) です。

兄弟姉妹の孫、配偶者、直系尊属
  1. 兄弟姉妹の場合は、子であり孫をふくみません。
    すなわち、被相続人の兄弟姉妹が死亡し、その子も死亡している場合、孫は相続人とは、なりません。
     

  2. 相続人となるべき者の配偶者は、代襲相続人となれません。
    夫の父について相続が開始する以前に、夫が死亡している場合、妻は代襲相続権を有しないのです。
     

  3. 相続人となるべき者の直系尊属も、代襲相続人になれません。
    孫について相続が開始する以前に、子である孫の父 が死亡しているときに、祖父(子の父)は、代襲権を有しません。

養子の子
  1. 子の代襲相続人は、相続権を失った者の子であるとともに、被相続人の直系卑属でなければなりません。
     
  2. したがって、養子縁組前に生まれた養子の子は、代襲相続人とはなりません。養子縁組前に出生した養子の子は、養親との間に、血族関係を有しないのです。
     
  3. 養子縁組後に出生した養子の子は、養子をとおして養親との間に、法定血族関係を生じます。よって、代襲相続人とはなります。
養子である兄弟姉妹の子
  1. 兄弟姉妹の代襲相続人は、相続権を失った者の子であると同時に、被相続人の血族であることを要します。
     
  2. したがって、養子縁組前の兄弟姉妹の子は、養子を代襲して、養親の他の子の遺産を、代襲相続できません。
     
  3. 養子縁組後に出生した兄弟姉妹の子は、兄弟姉妹をとおして、養親の他の子との間に、法定血族関係を生じます。よって、代襲相続人とはなります。
代襲相続人の存在時期
  1. 代襲相続人は、相続人となるべき者(被代襲者)が、相続権を失った時に存在している必要はありません。
     
  2. つまり、代襲相続人は、相続開始時に存在していればよいのです。
     
  3. したがって、相続人となるべき者(被代襲者)が、相続廃除・相続欠格などで相続権を失った後、相続開始前に生まれた子(胎児をふくむ)や養子は、代襲相続人となることが、できます。 
再代襲相続
  1. 被相続人の子に、代襲原因が発生すれば、孫が代襲相続人となります。
     
  2. この孫についても代襲原因が発生すれば、孫の子(被相続人のひ孫)が、代襲相続人となります。これが、再代襲相続です。
     
  3. 再代襲相続は、子の代襲原因と孫の代襲原因の、いずれが先に発生したかを問わず、認められます。

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「遺産相続」

総説
  1. 相続手続きには、相続人は誰かを調査し、相続人を確定することが必要です。        
     

  2. 相続人が誰であるかは、形式上は一応戸籍によって決まっています。
     

  3. しかし、実際には必ずしも明らかでない場合が生じます。胎児・相続人の行方不明・認知されない婚外子などです。

胎児がいる場合
  1. 胎児は、必ず出生するとは限りません。死産の場合もあります。
     

  2. 胎児を除外して、遺産分割をするのも有効との説があります。 
    (1) この考えは、胎児が、後に出生後に民法第910条を類推適用するのです。 
    (2) 民法第910条 は、次のように定めています。
    「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。」 
    (3) この考えは、胎児の保護に薄いようです。
     

  3. 特別代理人を選任して、胎児に代わり遺産分割協議が出来るとの説もあります。 
    (1) しかし、この考えでは、死産の際の処理に困ります。 
    (2) また、双生児と判明する前に遺産分割協議をし、双生児出生の場合も困ります。
     

  4. 結局のところ、胎児が現に出生するまで、相続人の数が不明だとして、遺産分割協議を待つのが良さそうです。

相続人が、相続承認後に行方不明の場合
  1.  相続人が、相続を承認後に、行方不明となった場合は、どうでしょうか。
     
  2. この場合は、遺産分割の協議ができないことになりますので、民法第907条第2項の適用となります。
     
  3. 民法第907条第2項は、次のように規定しています。

    「遺産の分割について、共同相続人間に--------協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。」
     
  4. すなわち、家庭裁判所で、遺産分割の審判が出来るのです。
相続人が、相続開始当時から行方不明の場合
  1. 相続人が、相続開始当時から行方不明の場合は、どうでしょうか。
     
  2. この場合は、不在者財産管理人を選任し、遺産分割協議ができます。
相続開始後で遺産分割協議前の死亡
  1. なお、後に、行方不明の相続人が、相続開始後で遺産分割協議前に、死亡していたことが判明した、という場合がありえます。
     

  2. この場合、相続人の確定に重大な過誤はありません。
     

  3. 行方不明で死亡した相続人の、相続人が、遺産分割協議に参加します。

同時死亡の推定がある場合
  1. 「同時死亡の推定」の、可能性がある場合も、問題です。たとえば、父と子が同一事故で死亡したような場合です。
     
  2. この場合、死亡者相互間には、相続はおこりません。よって、被相続人の先死が確認できる場合以外は、遺産分割協議を控えるべきです。
相続人たる身分の消滅が争われている場合
  1. 相続欠格・相続人の廃除・嫡出否認・親子関係不存在・婚姻または縁組の無効などが争われている場合があります。
     
  2. これらの事件が解決するまで、遺産分割協議をすべきではありません。  
被相続人の死後に認知の訴が提起された場合
  1. 戸籍上の相続人だけで、遺産分割協議がなされていた場合は、有効です。民法第910条は、有効を前提とした規定です。
     
  2. 民法第910条は、次のように定めています。 
    「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。」
     
  3. すなわち、遺産分割協議を有効として、後に認知によって相続人に確定した者に、価額支払請求を許せばよい、としたのです。

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「遺産相続」

実例
  1. 実の父親が、嫡出でない子を養子とすると、親子間の血縁関係に、養親子という法定血族関係が、重複して発生します。
     

  2. 祖父が、孫を養子とすると、祖父・孫間の血縁関係に、養親子という法定血族関係が、重複して発生します。
     

  3. 配偶者の一方が、他方の父母の養子となった場合、兄弟姉妹という血縁関係の他に、配偶者という身分関係が、重畳的に存在することになります。 

問題点
  1. 前記のような例は、たくさんありますが、相続の際、問題となります。
     

  2. 相続が開始した場合に、2つの身分を併有する相続人は、2つの地位に基づく相続分を加算したものを、取得できるか、という問題です。

解決

一 被相続人の長女の子が、被相続人の養子となっていました。

  1. 長女が、被相続人の死亡前に、死亡しました。
  2. その子は、養子としての相続分は、当然取得します。
  3. また、亡き母の代襲相続人としての、相続分をも取得します。

二 実親が、非嫡出子を養子としました。

  1. 親が、死亡した場合、子の相続分は、どうなるのでしょうか。
  2. この場合、養子は、嫡出子となる結果、非嫡出子の身分は消滅します。
  3. したがって、養子としての相続分のみを、取得します。

三 婿養子である夫が、他方の父母の養子となりました。 

  1. 養父母が死亡後、婿養子がなくなりました。実父母も、すでに死亡しています。子供も、いません。
  2. 妻は、妻としての相続分のみを取得し、兄弟姉妹としての相続分は取得しない、というのが実務の取扱いです。
  3. 多数の学説は、妻の相続分と、兄弟姉妹の相続分を、重複して取得すると、実務に反対しています。

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