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相続放棄手続 

相続放棄 相続承認

総説
  1. 被相続人の死亡により、相続が開始します。
    それにより、相続財産は、当然に、相続人に移転するものとされます。
     

  2. しかし、相続人は、自らに移転する相続財産を、承認するか拒絶するかの、選択の自由を認められています。
     

  3. 相続人が、選択できるのは、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかです。
     

  4. 単純承認は、相続人が、被相続人の権利義務を、無限に承継します。
     

  5. 限定承認は、相続人が、相続によって得たプラスの財産の限度で、被相続人の債務や遺贈など、マイナスの部分を負担します。
     

  6. 相続放棄は、単純承認と逆で、相続人が、被相続人の権利義務の一切を、承継しません。

相続放棄 相続承認の性質および注意点

一 相続の承認・放棄は、財産上の行為です。 

  1. したがって、相続人が承認および放棄をするには、通常の財産法上の行為能力が、必要とされます。
     
  2. すなわち、相続人が未成年者である場合は、法定代理人の、同意あるいは代理が必要です。
     
  3. 相続人が成年被後見人である場合は、成年後見人の代理が必要ですし、被保佐人の場合は、保佐人の同意を要します。
     
  4. これらに違反の相続の承認・放棄は、取り消すことができます。
     

二 包括的意思表示が必要です。 

  1. 相続の承認・放棄は、相続財産について包括的になされなければなりません。
     
  2. 相続財産の一部についてのみ、承認・放棄をするということは許されません。 

 
三 相続開始後の行為です。 

  1. 相続の承認・放棄は、相続開始後になすべきものです。
     
  2. 相続開始前にその意思を表示しても無効です。
     
  3. ただし、遺留分の事前の放棄は、認められています。

 
四 条件・期限は、つけられません。

  1. 相続の承認・放棄に、条件や期限をつけることは許されません。
     
  2. また、相続の承認・放棄を禁止したり、制限する、遺言や契約は無効です。

 
五 家庭裁判所の関与について。 

  1. 限定承認・相続放棄は、家庭裁判所に対して申述し、家庭裁判所の受理審判によって、効力を生じます。
     
  2. 単純承認は、その意思表示や届出は、必要ありません。
相続放棄 相続承認の撤回および取消し 

一 相続の承認・放棄をした者は、自己のために相続の開始を知った時から、3ヶ月以内でも、その承認・放棄を撤回できません。
 
二 相続の承認・放棄の取消しはできます。

  1. 未成年者、成年被後見人、被保佐人(保佐人の同意を得ていない場合)が、相続の承認・放棄をした場合や、詐欺、強迫によってなされた、相続の承認・放棄は、取消すことができます。
     
  2. 相続の限定承認または放棄の取消しは、家庭裁判所に申述して行ないます。
     
  3. 単純承認の取消しは、申述は必要ありません。
     
  4. 承認・放棄の取消権は、追認することができる時から、6ヶ月間行使しないときは、時効によって消滅します。
     
  5. 相続の承認・放棄の時から、10年を経過した時も、取消権は消滅します。
     
  6. 相続の承認・放棄が取り消された場合、3ヶ月の期間が経過していても、取消し後遅滞なく承認または放棄をすることができます。

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なお、下欄において、次の項目をご説明させていただきます。
相続放棄の意義
  1. 相続放棄とは、相続開始によって生じた相続財産(権利義務)の承継を、相続人が拒絶する意思表示です。
     

  2. 相続放棄は、絶対・単純なものですから、特定の相続人に自己の相続分を与えるためだけに放棄をする、というような相対的放棄は、許されません。
     

  3. また、相続放棄に、期限や条件を付することもできません。

相続放棄の方式
  1. 相続放棄は、3ヶ月の考慮期間中に、家庭裁判所へ放棄をする旨の申述でなされます。
     
  2. 他の相続人に、相続放棄の意思表示をしても、放棄の効力を生じません。
     
  3. 相続放棄申述書には、一定の形式的事項を記載すればよいのであって、とくに放棄の理由は示す必要はありません。
     
  4. また、相続財産の目録の作成および提出も不要です。
     
  5. 相続放棄は、相続の開始前にはできません。
     
  6. たとえば、相続開始前に、「長男に相続をさせるため、相続放棄をする」との誓約書を出しても、全く効力はありません。
     
  7. 相続放棄は、家庭裁判所の申述受理の審判によって成立し、その効力を生じます。家庭裁判所は、相続放棄の申述が、果たして本人の自由な意思に基づくものかどうかを確かめて、受理すべきだと解されています。
     
  8. 相続放棄が、錯誤や詐欺に基づき、また方式に欠けるときは、無効又は取り消しができます。
     
  9. 取り消しが認められた事例を、ご紹介いたします。
    (1) 長男Aが、父親の遺産を一人占めしようとして、母や次男Bらに対し、財産分与の意思がないのに、後日財産分与をするから、とりあえず相続放棄の申述をしてくれとたのみました。
    (2) Bらは、Aの言を信じて相続放棄をしたところ、Aは、直ちに土地・建物の相続財産全部の登記名義を自分に移転し、Bらに、財産分与をするほどの遺産がないから、分与できないと、申し渡しました。
    (3) Bらは、Aの詐欺を理由に、相続放棄申述の取消しを、裁判所に申し立てましたところ、東京高等裁判所は、これを認めました (東京高決昭和27年7月22日)。
相続放棄の効果
  1. 相続放棄をした場合は、相続開始の時に遡ってその効力が生じます。
     
  2. 放棄をした者は、その相続について、はじめから相続人とならなかったものとみなされます。
     
  3. 相続放棄をした者が、単独相続人または同順位の共同相続人全員の場合には、次順位の者が相続人になります。
     
  4. 放棄者が、共同相続人の1人であった場合には、放棄者を除いて算定された相続分が、配分されることになります。
     
  5. 相続放棄について、二重資格者の問題があります。
    (1) たとえば、弟が兄の養子になった場合に、先順位相続人(養子)として、相続放棄をした後、後順位相続人(弟)として、相続の承認ができるかどうかです。
    (2) 実務は、先の順位での相続放棄は、後の順位での相続をも放棄したことになる、と解しています。
相続人が相続の承認・放棄をしないで死亡の場合
  1. 相続人が、自己のために相続が開始したことを知った時から、3ヶ月以内に相続の承認・放棄をしないで死亡した場合を考えてみましょう。
     

  2. この場合、その者の相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から、3ヶ月以内に相続放棄ができます。
     

  3. たとえば、祖父甲・父A・子Bの家族がいた場合に、甲の相続人Aが、考慮期間内に相続の承認・放棄をしないで死亡したとします。
     

  4. Aの相続人Bは、B自身が、自己のために相続の開始があったことを知った時から、3ヶ月以内に相続放棄ができます。
     

  5. この場合、Bの相続放棄は、甲の財産についての相続放棄と、Aの財産についての相続放棄の、2個の相続放棄が考えられます。
     

  6. 判例は、次のように解しています。
    (1) Bが、先にAの相続について相続放棄をした場合、もはや、甲の相続についての相続放棄をすることはできません。
    (2) Bが、Aの相続を放棄すれば、Aの権利義務を承継しませんから、Aの有していた 甲の相続についての放棄の権利も、承継しないからです。
    (3) 逆に、Bが、先に甲の相続について相続放棄をした場合は、その後に、Aの相続について相続放棄ができます。  

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総説
  1. 民法上の相続放棄の規定は、かなり厳格です。
     

  2. たとえば、相続放棄の熟慮期間です。
    民法第915条第1項は、次のように規定しています。

    「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相
    続について、------放棄をしなければならない。」との、定めです。
     

  3. また、相続放棄の撤回については、第919条第1項は、次のように否定しています。
    「相続の----放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。」との、規定です。
     

  4. さらに、「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければなら
    ない。」と、第938条は、規定しています。

事実上の相続放棄
  1. それでは、915条の、「3箇月」の熟慮期間を過ぎた場合は、他の方法では、放棄と
    同様の効果は、認められないのでしょうか。
     
  2. また、家庭裁判所への申述の手間を、嫌がった相続人は、救われないのでしょうか。
     
  3. かような相続人は、他の方法で放棄と同様な効果を、実現しています。
    「事実上の放棄」と、呼ばれています。
     
  4. これによって、各相続人の相続分やその内容を、柔軟に調整しています。
    また、相続登記を、容易にしています。
     
  5. 各種類型を、ご紹介いたします。
相続放棄契約
  1. 典型的には、被相続人が死亡する前に、相続人間でなされます。
     
  2. 一部の相続人が、自分の相続分を、事前に放棄する契約です。
    契約書は、放棄する者が、実印を押して署名することも、あるようです。
     
  3. 判例は、相続人の間で、次順位者などと放棄をする意思表示・合意をしても、無効としています。
共有持分権の放棄
  1. これは、一部の相続人が、相続開始により一旦承継した共有持分権を、放棄するものです。
     
  2. これにより、他の相続人の相続分が増加します。したがって、実質的に相続放棄と同様になります。
     
  3. 形式上は、「相続放棄」と異なりますから、裁判所への申述手続きは不要です。
    判例も、有効性を認めています。
特別受益証明書
  1. 一部の相続人が、特別受益証明書を、作成・提出するものです。
     
  2. これは、被相続人の生前に、相当の財産を得ているから、もはや相続分がないとの証明書です。
     
  3. これにより、他の相続人は、相続分が増加します。一人を除いて、他の相続人全員が、特別受益証明書を作成・提出すれば、単独相続となります。
相続分をゼロとする遺産分割
  1. 遺産分割は、相続人全員でしなければなりません。
     

  2. この場合に、一人の相続人を除き、他の相続人全員の相続分を、ゼロとする分割も可能です。
     

  3. これにより、単独相続となります。

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総説
  1. 相続の承認・放棄は、3ヶ月以内にすべきです。
     

  2. 起算点は、相続人が、自己のために相続の開始があったことを知った時からです。
     

  3. すなわち、相続の原因である被相続人の死亡の事実を知り、それによって自分が相続人になったことを知った時から、3ヶ月以内です。 

相当な理由がある場合 
  1. 相続人が、相続財産が全く存在していないと信じており、そう信じるにつき相当な理由がある場合は、どうでしょうか。
     

  2. この場合の相続の承認・放棄の3ヶ月の起算点は、相続人が相続財産の存在を認識した時、または通常の場合、認識できるであろう時とされています。 

相続人が数人いる場合 
  1. 相続人が数人いる場合の、3ヶ月の期間は、各相続人ごとに別々に起算します。
     

  2. たとえば、Aが死亡し、B・Cが相続人の場合を想定します。
     

  3. Bは、自己のために相続の開始があったことを知って3ヶ月を経過しました。
     

  4. しかし、Cは、海外にいて相続の開始を知らなかった場合、自己のために相続が開始したことを知った時から、3ヶ月を経過していない限り、相続の放棄ができます。 

起算点の特別規定
  1. 相続の承認・放棄の、3ヶ月の起算点については、2つの特別規定があります。
     

  2. 第一に、相続人が、承認・放棄をしないで死亡したときです。
    この場合、その者の相続人が、前相続人の承認・放棄権を承継します。後相続人が、自分のために相続の開始があったことを知った時から、起算します。
     

  3. 第二に、相続人が、未成年者または成年被後見人の場合です。

    この場合、法定代理人が、その未成年者または成年被後見人のために、相続の開始があったことを知った時から起算します。 
期間の伸長 
  1. 考慮期間の3ヶ月を、伸長できるばあいがあります。
     

  2. 相続財産の状態が複雑で、調査その他の都合上、日数を要する場合は、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所が3ヶ月の期間を伸長できるのです。

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「相続放棄 相続承認」

単純承認の意義とその擬制
  1. 単純承認とは、相続人が、被相続人の権利義務を、無限に承継する相続形態、あるいはこれを承認する相続人の意思表示です。
     

  2. 単純承認により、相続財産は独立性を失い、相続人の固有財産と完全に融合します。
     

  3. したがって、被相続人の債務は、相続人が、全部弁済しなければなりませんから、被相続人の債権者は、相続人の固有財産に対しても、強制執行ができることになります。
     

  4. 民法は、単純承認の擬制を認めています。
     

  5. すなわち、相続人が、一定の場合に、もはや限定承認や放棄はできず、当然に、単純承認をしたものとみなしています(法定単純承認といいます)。
     

  6. 民法上、法定単純承認とされるのは、下記の場合です。
     
    第一に、 相続人が、相続財産の全部または一部の処分をした場合

    第二に、 3ヶ月の考慮期間を徒過した場合

    第三に、 相続財産の隠匿などの背信行為をした場合 です。

相続財産の処分による単純承認

一 いかなる行為が、相続財産の処分に該当するか検討しましょう。

  1. 相続人の、次の行為は、相続財産の処分に該当します。
    (1) 相続財産である土地の売却や抵当権の設定
    (2) 相続財産である家屋に放火したり、高価な美術品を故意にこわした場合 
    (3) 相続債務の代物弁済として、相続財産である不動産の譲渡     
    (4) 相続債権を取り立てて、収受領得     
    (5) 相続財産である建物の賃借人に、賃料の支払い請求
     
  2. 相続人の、次の行為は、相続財産の処分に該当しません。
    (1) 民法第602条に定める期間を超えない賃貸(短期賃貸借)
     「民法第602条 短期賃貸借
     1 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 10年
     2 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 5年
     3 建物の賃貸借 3年
     4 動産の賃貸借 6箇月」
    (2) 葬式費用の支出
    (3) 保存行為(たとえば、相続人が相続財産である建物の不法占拠者への明け渡し請求)
    (4) 失火や過失で、家屋や美術品をこわした場合

 
相続財産の処分による単純承認とみなされるための行為 

  1. 相続人が、被相続人の死亡事実を知った後か、確実に死亡を予想しながら行為したものでなければなりません。
     
  2. すなわち、相続人が相続財産を処分しても、相続人が自己のために相続が開始した事実を知らなければ、単純承認をしたものとはみなされません。


相続財産の処分行為が、無効または取り消された場合

  1. この場合でも、単純承認の効果は生じます。
     
  2. また、いったん生じた単純承認の効果は消滅しない、と解するのが判例です。
考慮期間の徒過による単純承認
  1. 相続人が、承認・放棄をなしうる3ヶ月の期間内に、限定承認または放棄をしないでその期間が徒過したときは、単純承認をしたものとみなされます。
     

  2. なお、3ヶ月の期間が伸長されている場合は、伸長された期間が徒過したときです。
     

  3. 考慮期間の徒過による単純承認の効果は、当該相続人に、単純承認の意思が、なかったことを立証しても、その効果を覆すことはできません。

背信行為による単純承認
  1. 相続人が、限定承認、または相続の放棄をした後でも、相続財産の全部、もしくは 一部を隠匿し、私にこれを消費し、悪意でこれを財産目録中に記載しなかったような背信的行為がある場合は、その相続人は、単純承認をしたものとみなされます。
     

  2. なお、相続人の法定代理人に背信的行為がある場合も、その効果は相続人におよびます。
     

  3. 背信的行為とされる行為は、次の通りです。

    (1) 「隠匿」とは、容易にその遺産の存在をわからないようにしてしまうことです。

    (2) 「私に消費」するとは、相続債権者の不利益になることを承知のうえで、相続財産
    を消費することです。

    (3) 「悪意の不登載」とは、相続債権者を詐害しようとする財産隠匿の意思をもって
    財産目録に記載しないことです。
     

  4. 背信的行為は、相続人が限定承認や相続の放棄をした後の行為に限ります。
     

  5. 相続人の、背信的行為による単純承認の擬制は、その相続人が放棄したことによって、相続人となった者が承認した後は適用されません。
     

  6. すなわち、第二の相続人の利益を保護するために、第一の相続人の放棄はそのまま効力を持続し、第二の相続が有効となるのです。
     

  7. この場合、第二の相続人は、第一の相続人の背信的不正行為に対して、財産の引渡あるいは損害の賠償を請求できます。

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限定承認の意義
  1. 限定承認とは、相続人が、相続によって得たプラスの財産の限度でのみ、被相続人の債務や遺贈などマイナスの部分を負担するという、留保つきでの承認です。
     

  2. たとえば、被相続人に3000万円相当の土地と、4000万円の借金があるとします。
     

  3. この場合に、相続人が限定承認をすると、土地と4000万円の借金は、ともに相続人に承継されます。
     

  4. しかし、相続人は、4000万円の借金については、プラスの財産である3000万円

    相当額までしか責任を負いません。
     
  5. すなわち、債権者は、相続人に4000万円の請求はできますが、強制執行は3000

    万円相当の土地にしかできず、それ以上相続人の固有財産にまでかかっていくことは許されないのです。
限定承認の方法
  1. 相続人が、限定承認をしようとするときは、自分のために相続の開始があったことを知った時から、3ヶ月以内に財産目録を調整して、これを家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨の申述が必要です。
     
  2. 相続人が数人あるときは、共同相続人の全員の共同でなければ限定承認をすることはできません。
     
  3. したがって、共同相続人の1人が単純承認の意思を表示した場合には、他の相続人は、限定承認ができません。
     
  4. 共同相続人の1人が相続の放棄をした場合には、他の共同相続人は、限定承認をすることができます。
     
  5. この場合、相続の放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものと、みなされるからです。
     
  6. なお、共同相続人の全員が、限定承認をした場合でも、その後、一部の相続人が、相続財産の隠匿とか私の消費をした場合、その者は、自分の相続分に応じただけの単純承認者としての責任を負わなければなりません。
限定承認の効果
  1. 限定承認をした相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務及び遺贈を弁済すればよいことになります。
     

  2. すなわち、単純承認のように、自分の固有財産で責任を負う必要はありません。
     

  3. 限定承認をした相続人が、自分の固有財産で弁済すれば、返還請求はできません。
     

  4. なぜなら、限定承認によって、相続した債務は消滅しませんから、有効な弁済となるのです。
     

  5. 相続人が限定承認をした場合、被相続人に対して有していた債権・債務は、消滅しません。
     

  6. 限定承認で、相続財産は、相続人の固有財産と分離して別個のものとして清算するからです。
     

  7. 単純承認の場合は、相続人が被相続人に有していた債権・債務は、混同によって、消滅しますから、限定承認とは異なります。

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相続の放棄 ①

 1.相続放棄は、相続人が、被相続人の死亡により当然に発生した包括承継の効果を、自己
   のために、遡及的に消滅させる目的で行う意思表示です。

 2.相続は、人の死という事実に基づき開始しています。そして、相続財産が主体を失って          無主の財産になることを避けるため、ひとまず相続財産を積極・消極財産を含めて、包          括的に相続人に承継させることにしました。

 3.しかし、個々の相続人にとっては、このような相続の当然的な包括承継の効果が、直ち          に確定するわけではありません。それは、相続人の選択権行使により(あるいは法定単          純承認として)確定します。

 4.そして、相続放棄は、相続人に認められた選択権の一つであり、相続人が相続開始後、          不確定状態にあった相続の効果を、自己のために確定的に消滅させる意思表示です。           これにより、相続人は、相続から完全に離脱することになります。

 5.相続放棄の意思表示は、家庭裁判所に対する申述の方法によりなされるべき要式行為で          あって、相手方のない単独行為とされています。そして、相続放棄の効力は、家庭裁判          所の申述受理審判により生じます。

 6.相続が、財産の承継だけではなく「家」の承継を含んでいた明治民法のもとでは、戸主          の地位の承継を伴う家督相続でした。そこでは、家督相続人による相続放棄は「家」の          消滅をもたらすおそれがあり、認められません。

 7.しかし、相続財産の承継のみを対象とする現行民法においては、相続財産を承継するか          否かは、相続人の任意に委ねるべきとされ、相続強制の原則は採用されませんでした。

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相続の放棄 ②

1.相続の効果としての当然包括承継主義が、相続人による相続債務に対する無限責任の原則       と結びつけば、相続財産が債務超過であるときは、相続人に酷である。なぜなら、相続人       は、自己の固有財産による弁済を、強いられることになるからです。

2.近代法の自己責任の原則によれば、親の借金であろうと、子が返すことを強制されること       はありません。また、個人意思の尊重のもとでは、相続財産の承継=相続権も、相続人の       権利であって、放棄の自由が認められます。

3.すなわち、相続を強制される(「先祖代々の財産を守るべき」などとされる)こともない       はずであり、相続の任意性が保障されるべきなのです。そこで、相続人には一定期間(熟       慮期間)内に、相続を放棄することが認められたのです。

4.相続放棄の動機としては、相続債務の負担を免れたいことが多いであろうが、他の相続人      (1人あるいは複数)の利益を図るために、なされることがあります。なお、特定の者、         とくに、自己の卑属(子)のために、相続放棄が認められるかについては、相続放棄と代       襲相続の関係として問題となるが、現行法は認めていません。

5.相続放棄は、相続開始後に、家庭裁判所への申述によりなされるべきとされています。遺       留分に関しては、相続開始前の放棄が定められていますが、相続放棄については、相続開       始前の放棄の意思表示が、認められないかが問題となります。

6.これは、とくに、相続開始前の相続放棄契約、より広くは、将来の相続に関する合意(相       続放棄契約)が、認められないかです。

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相続の放棄 ③

1.相続開始前の相続放棄、あるいは相続放棄契約といっても、これが効力を生じ得るのは相       続開始時であるから、具体的には、相続開始後において、相続開始前に相続放棄の意思表       示をした者が、相続権を主張することは、認められるかという問題です。

2.判例は、大審院の多数の裁判例が、相続開始前の相続放棄、相続放棄契約の効力を否定し       ています。現行法のもとでも、下級審裁判例は、当事者間で事前に相続放棄の意思表示を       しても、無効であるとしています。

3.その理由は、「遺産の範囲は、相続の開始により初めて確定するのであって、その相続放       棄や分割協議の意思表示は、その時以後における各相続人の意思によりなさるべきもので       ある」と、しています。

4.学説のほとんども、判例と同様に、相続の事前放棄を否定しています。相続放棄は、相続       開始後に、家庭裁判所への申述という要式行為によってなされるべきとされており、未だ       生じていない相続権の自由な処分は、認められないことになります。

5.破産との関係ですが、相続財産が債務超過の場合、相続財産破産制度を利用して、相続財       産の清算手続きを行うことができます。

6.相続財産破産制度の存在意義は、相続財産と相続債権の公平な清算、および相続財産を承       継し、相続債権の債務者となった相続人の固有財産の保護を図る点にある、とされていま       す。

→ このページトップ「相続の放棄」

相続の放棄 ④

1.相続財産破産制度は、ほとんど利用されていないのが現状です。相続債権者にとっては、       相続財産が債務超過の状態にある以上、限定承認や相続放棄がなされないかぎりは、相続       人の固有財産を含めて権利行使の対象とすることが得策です。

2.相続人としても、相続財産破産において、免責許可申立てをする資格を認められておら           ず、相続財産破産には限定承認の効果がむすびつけられてもいないため、相続放棄をした       ほうが得策ということになります。

3.結局、相続債権者にとっても相続人にとっても、相続財産破産を申し立てる動機に欠ける       ため、相続財産破産制度は、ほとんど利用されていないのです。

4.相続人に破産手続開始原因がある場合、相続人は破産開始決定後でも、相続放棄をするこ       とは可能です。しかし、破産した相続人が、充分な相続財産があるにもかかわらず、相続       放棄をすることは、相続人の債権者(破産債権者)のための責任財産(破産財団)の拡充       の機会を失わせ、利益を害することになります。

5.そこで、相続放棄の効果について、制限がもうけられたのです。すなわち、相続人が破産       開始決定後に相続放棄を行っても、破産財団に対する関係では、相続財産について限定承       認の効力を生ずるとしました。

6.したがって、限定承認が行われた場合と同様に、破産管財人は、相続財産を破産財団所属       財産として、相続人の固有財産と分別管理します。相続債権者については、相続財産から       配当を行い、なお残余財産があれば、当該相続人に帰属すべき部分は、相続人固有財産と       みなされ、固有財産部分に組み込まれます。

→ このページトップ「相続の放棄」

相続の放棄 ⑤

1.相続放棄は、家庭裁判所の受理審判により効力を生ずることから、受理審判後は、熟慮期       間内といえども、いったんなされた相続放棄の意思表示を撤回することは、限定承認と同       じく認められません。

2.相続放棄の撤回禁止の趣旨は、いったんなされた有効な相続放棄が覆されることは、相続       による権利関係の早期安定に反し、相続人間や第三者との間で、相続をめぐる権利義務の       承継の有無をめぐって、紛争が生じるおそれがあることによります。

3.ただし、相続人が、家庭裁判所に相続放棄の申述をなしたのみでは、放棄の効果が生じる       ことはないから、受理審判までは、申述の取下げ(撤回)は認められます。

4.相続放棄は、相手方のない単独行為として法律行為です。よって、民法総則編や親族編に       よる取消原因がある場合は、取り消すことができます。ただし、相続放棄は、家庭裁判所       に対する申述による要式行為とされていることから、取消権の行使についても、家庭裁判       所への申述が必要です。

5.なお、その場合の取消権は、一般の法律行為の取消権と比べて、相続放棄の取消権の行使       が、短期間に行われるべきとしています(6ヵ月間の消滅時効、および10年の除斥期間       を定めています)。

6.相続放棄に取消原因があっても追認が許されることから、相続放棄者が、取消原因がある       ことを知りながら、相続財産の全部または一部を処分したときは、法定追認をしたことに       なり、取消権は失われます。

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相続の放棄 ⑥

1.相続放棄の取消しの申述が、家庭裁判所により受理された場合、すでに、熟慮期間が経過       していても、単純承認とみなされてしまうものではなく、遅滞なく改めて限定承認・相続       放棄をすることもできるとされています。

2.判例は、単純承認の取消しを認めた事案につき、この趣旨を述べています。もっとも、他       に共同相続人がいれば、限定相続は全員で行う必要があり、他の相続人がすでに単純承認       をしていれば、限定承認をすることは難しいでしょう。

3.なお、相続放棄の取消申述受理審判は、相続放棄の申述受理審判自体を取り消して効力を       失わせるものではなく、両者は併存した状態にあります。よって、相続放棄の取消しの申       述を受理した裁判所は、相続放棄を受理した裁判所に、速やかにその旨を通知する扱いと       されています。

4.さらに、相続放棄の取消しの申述を受理した審判に対しては、不服申立てが認められてい       ないが、受理審判により取消原因の有無については、既判力が生じるものではないから、       相続放棄の効力を争う利害関係人は、別訴において、取消原因が存在しないとして、相続       放棄の有効性を主張することができます。

5.相続放棄の無効に関しては、明文の規定はありません。しかし、相続放棄の無効を認める       ことには、異論はありません。どのような場合に、相続放棄の無効が認められるのか、ま       た、相続放棄の無効の主張方法に関してはどうなのか、については議論があります。

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相続の放棄 ⑦

1.相続放棄にも無効原因があります。相続放棄の申述が本人の意思に基づかず、他人により       無権限で行われた場合、相続放棄が利益相反行為の規定に反する場合、また、法定単純承       認該当事由がある場合になされた相続放棄は、無効です。

2.さらに、相手方のない単独行為である相続放棄に、意思表示の欠缺の規定(心裡留保・通       謀虚偽表示・錯誤)の適用があるかについては、検討の余地があります。

3.心裡留保・通謀虚偽表示の適用については、相続放棄は相手方のない単独行為であり、相       手方の悪意や相手方との通謀を、想定することはできないように思われます。

4.判例は、相続放棄に関する事案ではないが、同様な相手方のない単独行為である共有持分       の放棄や、相続分の放棄に関して、放棄により直接利益を受ける他の共有者や共同相続人       と通謀して、虚偽の意思表示を行った場合に、通謀虚偽表示の類推適用を認めています。

5.学説も、おおむね判例と同じ見解に立つが、相続放棄の場合は家裁への申述の方式が採ら       れている以上、心裡留保に基づく相続放棄に関しては、相手方の善意無過失が強く推定さ       れるとの指摘があります。

6.相続放棄に関しては、動機の錯誤が問題になることが多いようです。通説・判例は、動機       の錯誤は、例外的に動機が表示されて意思表示の内容になった場合に、民法第95条(法律       行為の要素に錯誤があったときに無効)が、適用されるとの見解に立っています。

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相続の放棄 ⑧

1.家庭裁判所への相続放棄の申述の際、動機を明らかにする必要はなく、また、相手方のな       い単独行為であるから、動機が表示されて要素の錯誤に当たるとされるのは、どのような       場合かが問題となります。

2.判例は、相続放棄にも錯誤に関する民法第95条の適用を認めるが、共同相続人の1人に       単独相続させるために相続放棄を行った者が、他の相続人も相続放棄をすると誤認してい       た事案で、「錯誤は、単なる縁由に関するものにすぎない」として、錯誤無効を認めませ       んでした(最高裁判例昭和40年)。     

3.その後、下級審では、相続放棄の結果誰が法律上の相続人となるかは、相続放棄者にとっ       て本質的に重要なものであり、この点に関する錯誤があった場合について、次のように判       示しました。

4.相続放棄の動機が「少なくとも相続放棄の手続において表示され、受理裁判所はもとよ           り、当該相続放棄の結果、反射的に影響を受ける利害関係者にも知りうべき客観的な状況       が作出されている場合においては、表示された動機にかかる錯誤」と、なります。

5.そして、民法第95条の適用を認めました。ただし、相続放棄者の相続放棄の無効の主張       は、権利の濫用に当たるとしています(東京高裁判例昭和63年)。   

6.なお、他の相続人から、事実に反し被相続人に多額の債務があると告げられて、相続放棄       を行った事例で、動機の錯誤による相続放棄の無効が認められた事案があります(高松高       裁判例平成2年)。                        

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