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 公正証書

公正証書・公証人の意義・公正証書作成のお勧め
  1. 公正証書とは、公証人が、公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。
     

  2. 公証人は、公証人法に基づき、法務大臣が任命する公務員です。公証人は、元判事・検事など、法律の専門家です。
     

  3. 公証人の執務する場所を、公証役場あるいは公証人役場といい、全国に約300ヶ所あります。

  4. 公正証書は、下記にご説明の通り、多くの長所があります。公正証書作成をお勧めいたします。
公正証書の種類
  1. 公正証書には、遺言公正証書、離婚給付公正証書(離婚に伴う慰謝料・養育費の支払いなど)、金銭の貸借に関しての公正証書、土地・建物の賃貸借に関する公正証書など、があります。
     

  2. なお、任意後見契約・事業用借地権契約は、公正証書にしなければ無効です。すなわち、当事者間で契約書を作成しても、効力がないのです。

公正証書の短所
  1. 公正証書の短所としては、有料となることです。公証人に支払う手数料、公正証書謄本作成の用紙代など、が必要です。
     

  2. また、原則として、公証役場へ出頭しなければなりません。しかし、公証人に出張していただくことは、可能です。出張の場合は、出張費・交通費が加算されます。

公正証書の長所
  1. 公正証書が、有料にもかかわらず、多く利用されているのは、長所が多いからです。すなわち、短所を補っても、なお余りある素晴らしい長所があります。
     
  2. その長所としては、次のものがあります。
    (1) 証拠としての高い証明力
    (2) 裁判所の確定判決と同様の、強制執行力
    (3) 高い信頼性と安全性
    (4) 債務者に対しての強い心理的圧力
     
  3. 以下、公正証書の長所を、個別に検討します。
証拠としての高い証明力
  1. 裁判で、公正証書が証拠として持ち出された場合、裁判官は直ちにこれを、証拠として採用できます。そして、証拠として採用された公正証書は、高い証明力があります。
     
  2. すなわち、金銭消費貸借契約を、公正証書で作成しておけば、法廷で、借りた覚えはないとか、偽造されたものだ、などの主張はできないのです。
     
  3. これは、公正証書作成の確実性、内容の適法性・有効性が、公証人によって、確保されているからです
     
  4. すなわち、公正証書の作成は、次のような厳格な要件が必要です。
    (1) 公正証書作成依頼者は、身分を証明するものを、公証人に提出します。印鑑証明書と実印または、運転免許証などです。
    (2) 公証人は、当事者の身分を確認してからでなければ、公正証書を作成しません。
    (3) 当事者は、公証人の面前で、公正証書の内容を確認します。その後に、当事者は、署名・押印をします。
     
  5. 内容の適法性・有効性は、次のように確保されています。
    (1) 公証人は、公正証書にする内容が、法令に違反したり、契約などに無効や取消しの原因があるときは、公正証書を作成することができません。このような原因として、詐欺・強迫・虚偽表示などが、考えられます。
    (2) 公正証書作成の際、当事者が、公証人に虚偽の事実の依頼をして、真実でない公正証書を作成させた場合は、刑事罰(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)に処せられます。
     
  6. 一般私文書の場合は、その文書が、正しく作成されたことの証明が必要です。これによって、証拠能力が認められても、必ずしも証明力が、強いとはいえません。
    公正証書とは、大きな違いがあります。
裁判所の確定判決と同様の、強制執行力
  1. 強制執行力とは、裁判所の関与のもとに、給料や預金等の差押えができることです。
    これによって、債権の回収を図るのです。
     
  2. 通常取引で、債務者の債務不履行の場合に、債権者が債権の回収を図るには、債権者は裁判を起こし、勝訴判決で、強制執行が認められる判決の確定を要します。しかし、これには時間がかかり、多額の費用が必要です。
     
  3. 公正証書を作成し、「強制執行をされてもかまわない」旨の「執行認諾約款」の記載があると、裁判は不要です。
    このような公正証書は、裁判所の確定判決と同じ執行力を持つのです。
     
  4. もっとも、債権者が直接に、債務者に対して強制執行ができるのではありません。
    強制執行の手続きは、法律にしたがって、裁判所または執行官に申立てをします。
     
  5. 目的財産が、土地や建物の不動産とか、預貯金等の債権なら、裁判所に申立てます。
    動産なら、執行官に申立てることになります。
高い信頼性と安全性
  1. 公正証書は、公証人により、作成段階で当事者の身分を、確認されます。
    すなわち、印鑑証明書と実印、運転免許証などで、本人確認がされるのです。
     
  2. 公証人は、公正証書にする内容が、法令に違反したり、無効・取消し原因に該当する場合は、公正証書を作成しません。
     
  3. このような作成手続きを踏みますから、高い信頼性があり、内容面も安全性があるのです。
     
  4. 公正証書の原本は、公証役場で厳重に保管されます(原則20年間)。公正証書の原本の、盗難・紛失・偽造・変造は、まず起こりえません。
    この意味でも、高い信頼性と安全性が確保されているのです。
債務者に対しての強い心理的圧力
  1. 公正証書に、「強制執行に服する」旨の、「執行認諾約款」の記載があれば、債務不履行の場合に、直ちに強制執行が可能です。債務者とすれば、債務の履行を怠らないようにと、かなりの心理的圧力となります。
     
  2. 公正証書は、証拠として高い証明力があります。債務者は、裁判で公正証書に関して争うことは、至難の業です。このことを、債務者が自覚していれば、契約通りの履行をしようと、心理的圧力を与えます。

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