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 特別縁故者の相続財産分与

総説
  1. 特別縁故者に対する相続財産の分与は、法定されています。
    民法第958条の3に、規定されています。
     

  2. 一定の者の請求があった場合に、家庭裁判所が審判で、相続財産を分与するか否かを判断します。

分与の相当性
  1. 相続財産の分与は、家庭裁判所が、分与を相当と認める場合になされます。
     

  2. 相当性の判断基準は、一切の事情を総合的に調査・判断して、決定されます。
    すなわち、縁故関係の内容、程度、年齢、職業、残存している相続財産の種類および数額などが、調査・判断されます。
     

  3. 数人の特別縁故者がある場合、誰にどの財産を、どの程度分与するかも、前記2の判断基準に照らして、裁判所の裁量で決まります。
     

  4. 実際は、全部分与されることが多いのですが、裁判所の裁量で一部分与の場合もあります。

相続財産分与の対象財産
  1. 特別縁故者に対して分与されるのは、「清算後残存すべき相続財産」です。
     
  2. 裁判上、問題となったものに「共有持分」があります。
     
  3. 民法第255条は、共有者の一人が相続人なくして死亡したときは、その持分は他の共有者に帰属する、と規定しています。
     
  4. そこで、共有持分が特別縁故者への分与の対象となるか、が問題です。
    いわば、255条と958条の3の、いずれが優先的に適用されるかです。
     
  5. 最高裁判所は、958条の3を優先適用しました。
    すなわち、共有持分は、分与の対象となり、分与がなされないときにはじめて255条
    により、他の共有者に帰属することを明らかにしました。
相続財産分与の手続き
  1. 申立権を有するのは、特別縁故関係を主張する者です。
     

  2. 自己への分与を、求めることを要します。
    第三者へ分与することを、求めることは認められません。
     

  3. 家庭裁判所が、職権で分与をすることはできません。
     

  4. 特別縁故者が、分与の請求申立てをしないで死亡した場合、相続人はその地位を承継できません。
     

  5. 特別縁故者の地位は、被相続人との個別的なものであるからです。

    また、分与申立てをするかは一身専属的地位であることも、理由の一つです。
     
  6. 特別縁故者が、分与申立て後に死亡の場合は、相続されるとされています。
    一種の期待権となるからです。
     

  7. 相続開始地の家庭裁判所が、管轄権を有するのが原則です。
     

  8. 申立期間は、相続人捜索の公告期間の満了後三ヶ月以内です。

残余財産の国家への帰属
  1. 特別縁故者からの分与申立てがなく、または、分与が一部にとどまり、残余財産がある場合には、それらの相続財産は国家に帰属します。
     
  2. その場合、相続財産管理人は、遅滞なく管理計算をして、相続財産を国家に引きつがなければなりません。

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