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遺産相続の法文を詳しく解説しています。
1.相続財産の範囲に関して、入会権は集落などの一定の地域の住民たる資格に基づき、その内部の慣行規範に従うものであり、相続の対象とはならないとされています。
2.債権は、原則として相続されますが、借家権および生命侵害による損害賠償請求権について、従来から議論があります。個別に検討します。
3.建物賃借権(借家権)は、財産権であり当然に相続されます。他方で、現住者の居住保護という側面も無視できません。
4.そのため、借家人が内縁の配偶者や事実上の養子などの同居者を残して死亡した場合につき、相続権のないこれら居住者の保護が「内縁配偶者居住の保護」として、主に戦後間もない時期に論議を呼びました。
5.その居住を保護する法律構成として、学説上いくつかの提案がなされました。たとえば、借家権の主体は、借家人個人ではなく、同人の属する家団、借家人死亡後も家団自体に変更はなく貸借関係は存続するとの家団論がありました。
6.さらに、右のような同居人にも「居住権」があるとし、この居住権は生存権的なものであるから、相続の問題は生じないという居住権論もありました。家団論・居住権論はいずれも借家権の相続を否定します。
7.他方、借家権の相続を認めつつ、借家人による借家契約締結に、日常家事連帯責任規定を類推適用し、内縁配偶者は共同賃借人となる見解があります。
8.また、借家権は、双方の実質共有財産であり、残存内縁配偶者は、借家権の準共有持分を持つとの見解などが主張されています。
記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康
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