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相続の放棄 ⑥

1.相続放棄の取消しの申述が、家庭裁判所により受理された場合、すでに、熟慮期間が経過       していても、単純承認とみなされてしまうものではなく、遅滞なく改めて限定承認・相続       放棄をすることもできるとされています。

2.判例は、単純承認の取消しを認めた事案につき、この趣旨を述べています。もっとも、他       に共同相続人がいれば、限定相続は全員で行う必要があり、他の相続人がすでに単純承認       をしていれば、限定承認をすることは難しいでしょう。

3.なお、相続放棄の取消申述受理審判は、相続放棄の申述受理審判自体を取り消して効力を       失わせるものではなく、両者は併存した状態にあります。よって、相続放棄の取消しの申       述を受理した裁判所は、相続放棄を受理した裁判所に、速やかにその旨を通知する扱いと       されています。

4.さらに、相続放棄の取消しの申述を受理した審判に対しては、不服申立てが認められてい       ないが、受理審判により取消原因の有無については、既判力が生じるものではないから、       相続放棄の効力を争う利害関係人は、別訴において、取消原因が存在しないとして、相続       放棄の有効性を主張することができます。

5.相続放棄の無効に関しては、明文の規定はありません。しかし、相続放棄の無効を認める       ことには、異論はありません。どのような場合に、相続放棄の無効が認められるのか、ま       た、相続放棄の無効の主張方法に関してはどうなのか、については議論があります。

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